メタバースの大失敗からの教訓

メタバースの大失敗からの教訓と題してネイション誌が伝えています。どんな失敗だったのでしょうか？

メタバースの大失敗からの教訓

マーク・ザッカーバーグの「メタ」の庇護のもと、オープンワールドのバーチャルリアリティプラットフォームと関連プロジェクトのブランド名である「メタバース」で、この地球上の主要な建築家がこぞって「建築」していた時期が、そう遠くない昔にあった。昨年、ザハ・ハディド・アーキテクツ、グリムショー、ファルシド・ムサヴィ、そしてもちろんビャルケ・インゲルス・グループといった驚くべき名前が、暗号通貨で資金を調達し、アート（NFT）を提供する「仮想都市」、仮想「オフィス」、そして同様に漠然とした響きの「ソーシャルスペース」の創造を約束した。ますます絶望的になり、失敗しがちなテック業界が発信する最新のトレンドに乗っかろうとする熱意は、ホテルチェーンのCitizenMやJose Cuervoのようなブランドのような現実の開発者さえも巻き込み、この企業に実際の資金を大量に投入した。バーチャル不動産への進出ラッシュは熱狂的だった、と。

ある面では、誰がこれらの企業や会社を責めることができるだろうか？2021年にバーチャル・リアリティ・サービスが開始されて以来、いわゆる「モバイル・インターネットの後継」と呼ばれるバーチャル・リアリティは、ほとんど見向きもされないような高騰した誇大広告の受け皿となった。Insiderによると、マッキンゼーはメタバースが企業に5兆ドルの価値をもたらすと主張した。シティはこれを13兆ドル以上と評価した。

問題はただひとつ、現状ではすべてがでたらめだったということに近かった。何兆ドルもの価値があるどころか、メタバースには現状ではまったく何の価値もないことが判明したのだ。このプラットフォームが期待に遅れたわけでも、普及が遅れたわけでもない。メタバースに訪れる人はまったくいなかったのだ。ただしVRヘッドセットの出荷数は伸びており今後どうなるかはわからない。

誇大広告のインフレの規模の大きさ

誇大広告のインフレの規模の大きさは、5月に明らかになった。同じ記事でInsiderは、間違いなく最大かつ最も関連性の高いメタバース・プラットフォームであるDecentralandの1日のアクティブユーザーが38人しかいないことを明らかにした。Guardian紙は、Metaの主要製品であるHorizon Worldsでユーザーに報酬を与えるために設計された機能の1つが、世界全体で470ドル以上の収益を生み出さなかったと報じた。38人のアクティブユーザー。470ドル。この数字の読みは間違っていない。メタバースは死んだと言っても過言ではない。決して生きてはいなかったとネイション誌

メタバースはどんな空間かと子供に尋ねると？これからのメインはどこになるかのヒント

子供たちにどんな空間にいるか尋ねると、Horizon Worldsとは答えないだろう。彼らは、Roblox（物議を醸した収益化されたゲームデザインプラットフォーム）、Minecraft（オープンワールドを構築するビデオゲームで、私も10代の頃にプレイしたことがある）、Fortnite（プレイヤー対プレイヤーの戦闘ゲームで、非常に多くのカスタマイズが可能）と答えるだろう。

現実には高度に階層化された資本主義的企業（たまたま芸術ともみなされる）である建築が、音楽やファッションのようなカルチャーの他の部分において、水面下で沸き起こるエキサイティングなものすべてに目を向けないのは理にかなっている。その代わりに、同じ偏狭で専門化された領域にいる同僚たちのプレスリリースを見るのだ： マッキンゼー、メタ、PRエージェントなどだ。

結論

メタバースは当初はマーケティング会社やコンサルティング会社によって見積もられた数字と現実の乖離、建築の例で言うと建築という分野が、常識のある人なら誰でも無意味だとわかり、世間からも酷評されるような馬鹿げた流行に身を投じたことは、客観的に見て恥ずべきことだ。しかしそれ以上に重要なのは、現在のハイテク産業が、無形な誇大広告のバブルと金融詐欺の終わりのないサイクルのように見えてきていることだ。永続的な価値も、社会に多大な生産性をもたらすこともないかもしれない。ブームとバブルのサイクルはますます短くなり、売り出される商品はますます金融化され、不安定になっている。要は実態とかけ離れたところで金融商品と合わせられ一人歩きして浮いているのである。だからこれから実質的にユーザが追いついてくる可能性は多いにある、が子供と大人の目線に乖離がありそれがどのように埋まっていくかみなければならない。だが間違いなく便利で楽な方に流れてくであろう。