ニール・スティーブンソンのオープンメタバースに備えよ。Lamina1がAvalanche Web3計画を発表。

ニール・スティーブンソンは、自身のLamina1ブロックチェーン会社がAvalancheチェーンと提携したオープンメタバースの計画を発表した。

これは、スティーブンソンが「メタバース」という言葉を生み出した1992年の小説『スノウ・クラッシュ』の仮想世界がもうすぐ実現するということを意味するものではない。しかし、アバランチ上でのLamina1のレイヤー1ブロックチェーンのローンチは、インフラストラクチャーの必要な部分である。

過去1年ほど、Lamina1はメタバース・コンテンツの作成と開発を強化するソリューションを構築してきた。そして今日、アバランチ上で高性能なレイヤー1ブロックチェーンを開始することを発表した。

メタバース “という言葉にまつわる話題が去り、少し遅いと思うかもしれない。しかし、ステファンソンは、期待値が下がり、議論が実際のテクノロジーに集中できるようになったことを好意的に受け止めている。

このプラットフォームは、Avalancheの強力なコンセンサスとコア・テクノロジーを使って、オープンなメタバース・ツールと体験の相互運用可能なエコシステムを構築することを目指している。Stephenson氏とAvalancheの重役であるJohn Nahas氏は、GamesBeatのインタビューで、オープンなメタバース（『スノウ・クラッシュ』のようなSF小説にインスパイアされた仮想世界の世界）の必要性について、両者の意見は一致していると述べた。また、Stephenson 氏は、Lamina1 はすべてを自社で構築するのではなく、オープンな環境で他社のブロックチェーン・ネットワークを実現することに注力している Avalanche 社の技術に依存していると述べた。

スティーブンソン、暗号のパイオニアであるピーター・ヴェッセネス、没入型エンターテインメントのエグゼクティブであるレベッカ・バーキンによって設立されたLamina1は、オープンで分散化された、クリエイターフレンドリーなメタバースの育成を目指している。

「私たちがLamina1を設立したのは、メタバースがオープンで分散化され、クリエイターにとって歓迎される形で発展するのを見たいからです。「何百万人もの人々が訪れ、利用するメタバースを実現するためには、そこで人々が楽しめるような体験が必要です。それは、クリエイターのサポートをシステムに一から組み込むことから始まります。私たちは、そのビジョンに賛同し、それを実現するためのエンジニアリング力を持つパートナーを見つけました」。

チームは、何百万人ものユーザーを惹きつけるためには、メタバースが楽しい体験を提供し、クリエイターを一からサポートしなければならないと考えている。アバランチ社とのパートナーシップは、このビジョンに沿ったものであり、アバランチ社のエンジニアリング能力を活用するものである。

Lamina1はすでに大きな進歩を遂げており、テストネットとベータネットの段階では5万人近い参加者が参加している。これらの初期段階は、分散型アセットストレージソリューション、ユーザーフレンドリーなワールドビルダーツール、ゲームエンジンとウェブSDK、コンシューマーグレードのユーザーエクスペリエンス、マルチプレイヤーエクスペリエンスのためのシンプルなワールドサーバーなどの主要機能の基礎を築きました。このプラットフォームはまた、アイデンティティ、アセット、クリエイター体験のために独自のサブネットアーキテクチャを採用している。Lamina1がAvalancheを採用することは、このテストから明らかだったとStephenson氏は言う。

Avalancheは、その驚異的なトランザクション速度、カスタマイズ性、スケーラブルなアーキテクチャで知られ、ブロックチェーン分野で急速な人気を得ている。そのサブネット・モデルは、ブロックチェーン・ネットワークやビルダーに複合性とオプションを提供し、Lamina1が開発したメタバース特有のインフラを含め、あらゆるブロックチェーンを最適化し拡張するための理想的なベースとなっている。

今後数ヶ月のうちに、Ava LabsとLamina1は共同で、クリエイターファーストのプラットフォームをAvalancheネットワークとエコシステムに導入する予定です。この統合により、メタバース・クリエイターや開発者のシームレスなオンボーディングが促進され、オンチェーン・アプリやスペースの構築が可能になる。

このパートナーシップは、インディーズゲーム、音楽、映画、ファッション、アート、テイストメーカー体験など、さまざまな領域にわたってAvalancheの既存のクリエイター・エコシステムを拡大することを目的としている。Ava Labsは、コンセンサス層のスケーラビリティ、スピード、信頼性に関する専門知識を活用して、Lamina1に技術的およびその他のサポートを提供する。

「Lamina1のCEOであるバーキン氏は声明の中で、次のように述べています。「ピーター、ニール、そして私は、アバランチ社とAva Labsのチームに対して、初日から多大な尊敬の念を抱いてきました。彼らのコアテクノロジーだけでなく、ビジネスに対する洞察力、長期的な価値構築への集中力、そして、新しいコンテンツクリエイターを採用し、彼らを維持するために不可欠な一流の開発者サポートなどです。「コンシューマーデザインとコンテンツ開発における我々の専門知識と、コンセンサス層におけるスケール、スピード、信頼性に対する彼らのコミットメントにより、我々は大きな加速を目指しています。私たちは共に、相互接続されたオープンなメタバースへの足がかりを築くために、クリエイターに力を与えることができるのです。”

LAMINA1のAvalancheの進捗状況を知るには、関心のある人はLAMINA1とAvalancheのDiscordコミュニティに参加することができる。

「Lamina1とAva Labsのパートナーシップは、オープンなメタバース構築における大きな前進です。「クリエイター・ファーストのメタバースというLamina1のビジョンは、次世代のWeb3アプリケーションを構築するために必要なツールとインフラを開発者とユーザーに提供するという我々のコミットメントと完全に一致しています。我々は、このビジョンを実現するためにLamina1と協力し、クリエイターが望むメタバースを構築できるようにすることに興奮している。”

ステファンソンは、メタのような壁で囲まれた庭がメタバース構築への関心を表明するのを見た後、オープンなメタバースの構築を支援するために行動を開始した。彼は2022年6月にLamina1を共同設立しており、今回の発表は、同社がインフラを構築する上で前進した最初の兆候である。

技術詳細

Lamina1は、コンテンツクリエイターのニーズをサポートするためにカスタマイズされた高速のProof-of-Stakeコンセンサスアルゴリズムを使用している。

Lamina1は、デジタル資産を管理するために、業界で最もスケーラブルで環境的に効率的なチェーンを提供する堅牢な一般化ブロックチェーンであるAvalancheから始めることにした。この出発点により、Lamina1は柔軟なアーキテクチャーと拡張可能なプラットフォームを手に入れ、データ保存、相互運用性、統合インセンティブ、カーボン・マイナス運用、メッセージング、プライバシー、大規模決済、アイデンティティといった我々の目標をサポートすることができる。

既存のL1ビルダーとクリエイターについては、移行と最終的なメインネットの立ち上げに向け、ベータネットとベータテストが通常通りLamina1ハブで継続されます。オープンなメタバース・コンテンツの創造に力を与えるために構築されたLamina1ブロックチェーンは、その開発を継続する。そして同社は、ブロックチェーンを基盤インフラとして使用するオープンなメタバース・ツールと体験の相互運用可能なエコシステムをサポートし、提供することに引き続き注力していく。

同社によると、コミュニティやバリデーターは、これが何を意味するのかについて疑問を持っている可能性があり、Lamina1は今後数週間のうちにDiscordで開催されるAvalancheチームとのAMAでそれらに対処する予定である。

Lamina1は、アバランチのコンセンサスに基づいて構築された相互運用可能なエコシステムを持つことになる。ID、アセット、ストレージといったプレミアムクリエイター機能に特化したサブネットを持つ。プラットフォーム間で統一された流動的なデジタル・アイデンティティ、あらゆる種類のクリエイターがクロスプラットフォーム体験を構築するための直感的なツール、開発者向けのゲームエンジンやウェブSDK、エディタ・プラグイン、そしてコンシューマー・グレードのユーザー体験、インターフェイス、デザインを目指す。

アバランチとアバ・ラボ

Ava Labsは、Avalancheエコシステム内のイノベーションに焦点を当て、高性能Web3ソリューションの展開を簡素化します。同社は、コーネル大学のコンピューター科学者が、ウォール街のベテランや初期のWeb3リーダーと協力して設立した。彼らの目標は、オープンなパーミッションレス・ネットワークの構築と利用方法を再定義し、最終的にWeb3空間における価値創造を再定義することである。

Avalancheは、無限のスケーラビリティを提供するスマート・コントラクト・プラットフォームであり、1秒未満でトランザクションを確定する。斬新なコンセンサス・プロトコル、サブネット・インフラ、HyperSDKツールキットにより、AvalancheはWeb3開発者が強力なカスタムブロックチェーン・ソリューションを容易に立ち上げることを可能にします。アバランチは、Web3開発者が望むものをどんな方法でも構築できるように設計された、多用途で環境に優しいブロックチェーンを提供します。

ナヴァス氏は、アバランチのアーキテクチャは環境に優しいと指摘した。昨日発表されたCrypto Carbon Ratings Instituteの新しいレポートによると、アバランチ・ネットワーク、その1,000人以上のバリデーター、これまでに取引された数十億ドルは、米国の44世帯分の炭素しか使用していないという。

他のプルーフ・オブ・ステーク・ネットワークと比較して、我々は2番目に環境に優しい。

Lamina1の起源

「すべては2021年後半、マーク・ザッカーバーグが自身の会社Metaがメタバースを構築することを発表したことから始まった。「私にとって、それは実際に世界で何かを起こそうとするチャンスに思えた。私はずっと同じ話をしてきた。何百万人もの人々が訪れるメタバースが存在するのであれば、そこには人々が楽しめるような体験がなければならない。

彼は、ゲーム開発者はメタバースを構築するスキルを持っているという考え方に共鳴した。

「もしあなたがクリエイターなら、支援を得るのは難しいし、融資を受けるのも難しい。生計を立てるのも難しい。メタバース体験を創造するのに必要なスキルセットを持つ人々のほとんどは、現在ゲーム業界で働いています。「そのなかには、充実して幸せに働いている人もいれば、悲惨な目に遭っている人もいるし、苦労している人もいる。いずれにせよ、彼らにとって価値ある提案や簡単な道がなければ、彼らは今の仕事を続けるか、自分のスキルをメタバースに向けようとしないでしょう。

彼は、そのような人々が仕事をできるようにするためのインフラに注意を払う必要があると述べた。

「そして、それがある程度整理できたら、次は楽しい部分だ」とスティーブンソンは言う。「私たちが取り組んできたのは、クリエイターが多くの痛みを経験することなく、メタバースで実際にビジネスを運営する希望を持てるようにするインフラです」。

既存のブロックチェーンゲームやブロックチェーンプラットフォームは使いづらく、ユーザーにとっても理解しづらいものだという。

「ユーザーはお金の仕組みには関心がない。ブロックチェーンにイデオロギー的な利害関係があるわけでもない。ただ楽しみたいだけなのだ。だから、私たちが非常に早い段階で理解したのは、アバランチと一緒に仕事をしたいということでした。その理由はたくさんある。技術的なものもあれば、文化的なものもある。しかし、さまざまな理由によって、それは時間の経過とともに、より明確になっていった。そして、ここ数ヶ月の間に、我々はこの取引でその関係を正式に結ぶことになった。”

メタバース大流行の後に始まった

Stephenson氏は、同社が遅いスタートを切り、”ちょうど暗号の冬の始まり “に発表したことを認めた。

「そのため、昨年は本当に面白く、複雑な状況でした。「バランス的には、その方がいいと思います。2022年の初めであれば、多くの資金を素早く調達するのは簡単だったかもしれない。それはいいことだと思う。それが良かったかどうかはわからない。その代わりに、私たちが行き着いたのは非常に無駄のない資金調達環境だった。だから、この会社は非常に無駄がなく、非常にスクラップ的で、注意を集中させることができる」。

彼は、バーキンが「それをうまく操り、正しい決断を下すことにかけては見事だった。そして全体として、私たちはそのおかげでより強い会社になったと思います” と語った。

アバランチとの提携

彼は、アバランチ社はその最高のエンジニアリング・プラットフォームで多くのことを成し遂げてきたと語った。ラミアン1は、調べれば調べるほど、車輪の再発明はしたくないと考えるようになった。そこで、暗号の冬の嵐をうまく切り抜け、「安定したプラットフォームであることを確信した」アバランチ社と協力することにした、とステファンソンは語った。

ナヴァス氏は、アバランチ社の立場から、Lamina1チームと設立当初から話ができたことは良かったと語った。彼は、メタバースに対する初期の誇大宣伝の結果、実際の製品やチームが非常に価値のあるものを構築することはなく、定着する能力もなかったと指摘した。

「だから、価値のあるものを作り、正しく構築するには時間がかかる。「そして、クリエイターやクリエイター経済にとって価値のあるものを提供すること、つまり、メタバースが本当に活用できるものであること、誇大広告が現れてすでに去ってしまったのとは対照的であることが、私にとっての究極のゴールだと信じています。

目標は、クリエイター・エコノミーに基づいたオープンなメタバースを作ることであり、クリエイターを取り込み、適切な方法で彼らを利用し、彼らがテクノロジーから利益を得られるようにすることだ、とナバスは言う。

「誇大広告や憶測や雑音に惑わされることなく、実際に構築することができるのですから。「アーティストやクリエイターは、持続可能な技術に取り組んでいることを気にしているからです。未来のテクノロジーは持続可能でなければならない。誰もそこに座って取引を待ちたいとは思わない。アバランチでは1秒もかからずに取引が行われる」。

ナバスはまた、Avalancheに参加することで、同じエコシステム上にある他の企業やブランドと協力するための、より大きなエコシステムが開かれるとも語った。レイヤー2やサイドチェーンではなく、独自のカスタムブロックチェーン、つまりレイヤー1を作成できるため、Avalancheに魅力を感じている企業は数多くある。そして、それは最終的に各プロジェクトのエンジニアリング作業を減らすことを意味する。

「当社のエンジニアはこの仕組みが大好きです。”私たちはこれが機能することを信頼できますし、やりたいことをやる自由を与えてくれます”

次に来るもの

Lamina1のコンテンツ責任者であるケイシー・ホルター氏によると、同社は来週、いくつかのNFTを発表し、近いうちにプレイ可能なメタバース体験のデモを行う予定だという。

「我々は、Lamina1上のスペースを開始するために、エコシステム全体からいくつかの映画制作者、ゲームクリエイター、ミュージシャンだけでなく、早期アクセスパートナーに関与し始めるためにバックグラウンドで本当に懸命に働いている。「私たちは昨年、チェーン、基盤となるインフラ、SDK、オープンなメタバース創作を支援するクリエイター・ツールの開発に多くの時間を費やしてきました。今年の秋には、これらのスペースが実際にLamina1ハブに提供され始め、50,000人のオープンメタバース・ビルダーとベータネットでテストを開始する予定です。

彼女は、メタバースが生命を吹き込まれ始めているように感じられるので、コミュニティは興奮しており、そしてアバランチとのこのパートナーシップの発表は、Lamina1の評判を確固たるものにするのに役立つだろうと述べた。ブロックチェーン取引を検証するバリデータはすでに存在する。

「とホルターは語った。

ステファンソンは、オープンなメタバースにコミットする人々のネットワーク全体があると語った。なぜブロックチェーンがオープン・メタバースに不可欠なのかと問われ、スティーブンソンはこう答えた。私のトップレベルの答えは、一般的なブロックチェーンの能力と、非中央集権的でオープンなメタバースを構築するために必要だと私が考えていることを比較すると、この2つのことは重なる部分が多いということです。非中央集権的なオープン・メタバースを提唱しておきながら、『しかし、非中央集権的な技術や非中央集権的な決済システムを使うつもりはない』と言うのは馬鹿げていると思う」。

ナバスは、メタバースの要点は、それを分散型にすることであり、単一の当事者がそれをコントロールすることはないと述べた。それはむしろ、アバランチのようなパブリックなパーミッションレス・テクノロジーに近いと彼は言う。

「メタバースはデジタル・アイデンティティの能力を導入すると思う。デジタル・アイデンティティでは、価値を移転する能力が必要ですよね？つまり、結局のところ、Web3全体がインターネットの価値移転層なんだ。最終的には、標準的な決済プロセスを持たずに、個人から個人へ、個人プロジェクトから個人へ、あるいはメタバース内の何であろうと、中央集権的な性質を持つ価値を移転できるようにしたいと思うでしょう」。

キラーアプリ？

ここからどうやって数百万、数十億のユーザーを獲得するのか、とスティーブンソンは尋ねた。しかし、重要なのはトップダウンのマスタープランを持たないことだ。しかし、重要なのはトップダウンのマスタープランを持たないことだ。だから私はボトムアップ型だ。私たちは能力とサポート、インフラをスタートさせる。そして、人々が現れる。私にも作りたいプロジェクトがある。それが実現し、成功することを願っている。しかし、もし一人の人間による特定のプロジェクトの成功にすべてを依存させるのであれば、それはあまり強固な計画とは思えない」。

スティーブンソンは、「だから、私が見たいのは驚きなんだ。私が思いもつかないような、いろいろなことをやってくれる人たちが現れることを期待している。それは私にとって驚きであり、喜ばしいことだ”

間もなく登場するNFTについて、ホルターは、入手する唯一の方法は、デビュー戦か最初の体験をプレーすることだと語った。多くの初期のブロックチェーン・プロジェクトが詐欺のレッテルを貼られるきっかけとなった、最高額入札者による最初のオークションは行われない。

「我々は、相互運用可能なアセットや装備可能なものにもっと興味がある。「非Web3ゲーマーにとっては、普通のゲームプレイのように感じられるだろう。

Stephenson氏はまた、Web3ユーザーにとってユーザーフレンドリーなオンボーディングが行われるだろうと語った。